最近屋根の水はけが良くない、外壁に雨だれが目立つようになってきた、など雨が降るたびに気にかかることはありませんか。もしかしてそれは雨樋の不具合のせいかもしれません。普段は目立たない部分だけに、意外と気に留めない方も多いのではないでしょうか。
雨樋は家にとって非常に大切なものです。しかしその重要性や修理方法となると、よく分からない部分もありますよね。ここでは雨樋の役割や修繕にかかる費用・注意点などを解説します。
1.雨樋とは?意外と知らない?雨樋の重要性
雨樋は具体的にどのような役割を果たしているのでしょうか。
ご存知のように、雨樋は雨水を集めて地上あるいは地下へと排水します。では、雨樋がなければこれらの雨水はどうなってしまうでしょうか。屋根へ落ちた雨水は滝のように流れ、そのまま家の外壁を伝って地面に落ち、周囲に泥はねをまき散らすことになります。
そのような状態は外壁や家周辺の美観を損ねるだけでなく、家そのものへの劣化をもたらす危険性があるのです。
まず水が直接当たると外壁は腐食の危険にさらされます。また家周辺の土壌も落ちた雨水によって溝ができるなど不安定な状態になり、基礎回りも腐食していく可能性があります。さらに家自体が湿気にさらされるので、シロアリの発生が懸念されます。
こうした雨水による害から家を守るために、雨樋は必要不可欠なものです。
1-1.雨樋の集水器とは
雨樋は大きく分けると、軒先を通る軒樋、軒先から地上へとつなぐ竪樋、そして両者をつなぐ呼び樋の3つの部分からなります。そして軒樋の水を集めて竪樋に送るための部位を「集水器」といいます。
この「集水器」はじょうご・アンコーなどとも呼ばれることがあり、雨樋において重要な役割を担っています。
2.雨樋が壊れる原因と修理方法
雨樋は外にさらされているという特性上、いつか必ずメンテナンスが必要になります。
ここでは雨樋を劣化させる主な原因と、その原因別の修理方法を見ていきます。
2-1.雨樋が壊れる主な原因
雨樋が壊れてしまう主な原因は以下の5つが挙げられます。
・ゴミの詰まり
・雨樋自体の傾斜が適切でない
・経年劣化
・継ぎ目の隙間
・雨風や雪の影響
これらのほとんどは、長い間使用していれば当然起こりうることです。家の外の部位ですので天候の影響は避けられず、場所が場所だけに定期的なメンテナンスも困難です。
いざ雨樋に不具合が起こったときには慌てず、原因に対する適切な対策を素早く取ることが重要となります。
2-2.原因別の雨樋修理方法
・ゴミの詰まり
一番ゴミのたまりやすい箇所は集水器です。脚立で近づいて確認できるゴミは取り除きます。また、見えない部分も手が届く範囲でゴミを回収しておきましょう。最後に水を入れてスムーズに流れたら終了です。それでも詰まりが改善されないようなら、竪樋の掃除が必要です。竪樋よりも長めの針金(あまり柔らかくないもの)を用意します。その先に丸めた布をしっかりとくくり付け、なにも付けていない方を下にして竪樋の上部から差し込みます。そのまま竪樋の下部まで通し、針金をゆっくり引っ張ればゴミとともに布部分が出てきます。
軒樋も枯れ葉や砂埃がたまりやすいので、目立つゴミは回収します。
・雨樋自体の傾斜が適切でない
雨樋にはスムーズな水の排出のために、緩やかな傾斜がついています。雨水を集める集水器側に傾いているのが普通ですが、何らかの事情でこの傾斜が逆についていたり、全く傾斜がついていない場合もあります。
このような状態では当然スムーズな雨水の排出が行われません。これを改善するには「雨樋の支持金具」を調整することが必要です。雨樋の下を支えるこの金具の部分を少し曲げてやることで、適切な方向へ傾斜をつけることができます。この時傾斜をつけすぎたり、あるいは傾斜が足りないような状態にならないように注意が必要です。目安として10メートルにつき3~5センチ程度の傾斜が適切です。
・経年劣化
当然、雨樋にも寿命があります。通常であれば20年から25年程度です。このくらいの年月が経っている雨樋が水漏れや不具合を起こしているのならほぼ経年劣化と言えます。
この場合は専門業者での交換工事をおすすめします。
・継ぎ目の隙間
接着不良や経年劣化などで、雨樋の継ぎ目に隙間が生じる場合があります。
1、2カ所の不具合であれば継ぎ手を新しい物に交換しましょう。また、同型の物が用意できなければゴミを取り除いたあとに雨樋用接着剤で隙間なく接着し、直すことができます。
しかし、隙間部分が複数箇所ある場合や経年劣化によるものは危険ですので全体の交換工事をおすすめします。
・雨風や雪の影響
風雪や自然災害で雨樋全体が歪むなどの不具合が生じた場合は、他にどのような影響が出ているのかを素人目で判断することは難しいです。この場合は専門業者へ相談した方が良いでしょう。
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3.DIYで雨樋は付け替えできるの?
今はホームセンターなどでDIY用のさまざまな商品が出ているので、雨樋くらいなら自分で修繕してみようと考える方もいるでしょう。
しかし、そのためには何がどのくらい必要でどの程度手間がかかるのかをご存知でしょうか。ここでは、もし雨樋をDIYするなら何が必要になるのかを見ていきます。
3-1.DIYでの修理・補修にかかる金額は?
雨樋の修理・補修には当然材料と用具が必要になります。
基本の材料はこちらです。
・各種の雨樋用部品
・雨樋用の接着剤
・雨樋受け金具
・針金
・つかみ金具
・補修テープ
また、使用する道具としてカナヅチ、脚立、金切ノコギリ、キリの準備が必要です。
これらが常に家にあるというご家庭は少ないと思われます。
もし材料から用具まで全てを揃えた場合、およそ2万円前後になるでしょう。
自分で全て行うので当然工賃はかかりません。しかし材料を揃える手間やかかる労力、安全性などをよく考慮した上で、DIYが本当にお得なのかどうか、専門業者へ頼む場合と比較検討することをおすすめします。
4.雨樋修理・補修を業者が行う場合
雨樋修理を業者に依頼した場合、一番気にかかるのが費用です。今はDIY用品も手に入りやすいので、樋や部材の費用だけで済む家庭での修理は一見お得かもしれません。
しかし、雨樋の位置が2階やベランダなどの高所であった場合はどうでしょうか。脚立で近づける位置であったとしても、足場は不安定なので非常に危険の伴う作業となります。
場合によっては取り返しのつかない事故が起こってしまうかもしれません。
また、不具合の種類によっては完璧に直すことが難しいこともあります。不完全な修繕のまま雨樋を使いつづけるのは安全面からもおすすめできません。
安全な雨樋修理のためには、多少お金をかけても専門業者に任せた方が確実です。
4-1.業者に依頼した際の値段は
不具合の度合いによってかかる修繕費も異なります。一例として大まかな工事内容とかかる費用について見ていきます。
・雨樋の一部の交換・修繕 1~3万円
部分交換や部分補修の場合は、それほど工事にも時間がかからず済みます。
・雨樋の全体的修理・交換 10~60万円
経年劣化などで全体の交換が必要な場合は新しい部品と足場の代金がかかるので、価格も高めになります。雨樋の規模によっても価格が前後します。
・雨樋の塗装(全体) 5~10万円
塗装が剥がれてしまうと、雨水の影響を受けやすくなり雨樋の劣化が早まってしまいます。
そのため10年程度で塗り直しが必要になります。塗料の種類によって価格や見た目が変わりますので、都合や好みに合わせて選択すると良いでしょう。
外壁塗装の塗り直しも同様に約10年単位で必要になります。
同時期にまとめて検討する事をオススメします。
外壁塗装の必要性を知ればムダな出費が抑えられる!
実はこれら雨樋の修繕費を安くできる方法があります。台風などの急な災害で突然修理が必要になってしまった場合、あるいは豪雪・強風などの悪天候で壊れてしまった場合などは火災保険が利用できるからです。場合によっては修理費用のほとんどを保険金でカバーできる場合もあります。
火災保険の適用項目である「風災・ひょう災・雪災」は台風や暴風、なだれ等で住宅に被害が出た場合は補償してくれます。また補償内容に「水災」が含まれていれば、豪雨・洪水による被害にも適用可能です。これらの補償内容は一般的な火災保険ならば大抵付いています。ただし補償範囲は保険会社によって異なるので、ご自身の契約内容をチェックしてみてください。また、これから契約される予定の方は、お住まいの地域の気候の特徴に合わせた契約を行うことをおすすめします。
外壁・屋根のメンテナンスを業者へ頼むなら外壁.comへ!あわせて雨樋のメンテナンスもご検討を
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お支払いも完工後なので安心してお任せください!さらに5年間の工事保証も付いています。
また外壁.comは全国の工務店や職人と提携しているので、どこの地域にお住まいの方でも対応します。外壁の防水工事・屋根リフォームの際は、あわせて雨樋のメンテナンスも行うのがおすすめです。
「雨樋修理は高所作業になるので業者に頼むのが安心・安全」
大切な住居にとって必要不可欠な雨樋。できるならしっかりと修理しておきたいですよね。
しかし、雨樋の修理は高所での危険な作業になったり、予想以上の不具合が起きていたりするもの。そのためなかなか個人での完璧な修理は難しいです。
安心・安全な修理のためには、やはり専門業者へ依頼することをおすすめします。
また、火災保険を適用できる修理かどうかをしっかりアドバイスできるリフォーム業者や屋根業者は限られています。ですので、そのあたりのサポートができる業者かどうかも選択する際の基準として見ることをおすすめします。
まとめ
・雨樋は家屋を雨水の害から守る非常に大切な役割を持つ
・ゴミがたまりやすく気候の影響を受けやすいので、メンテナンスが必要
・DIYも可能だが、高所作業となり危険を伴うので専門業者に任せた方が安心
・修理費がそれなりにかかる場合もあるが、火災保険が適用されれば保険金で賄うこともできる