屋根の防水は外壁より先に切れる
雨や雪、風、照りつける太陽や飛来物、酷暑や厳しい寒さなどに立ちはだかり、室内環境を暮らしに適した穏やかなものにしてくれる屋根と外壁は、常に厳しい環境の下に置かれています。
特に屋根は外壁と異なり、24時間365日、一時の休みもなく全面に太陽の光を浴び、また夜の冷気に晒されています。真夏の日中の表面温度は、70℃に達することもあります。
もちろん耐候性の高い材料が選ばれ、さらに塗装によって保護され耐久性・防水性を備えていますが、経年による劣化は避けられません。特に紫外線は大敵です。
その土地が置かれた条件や、使われている材料にもよりますが、外壁は7年から10年、さらに現在主流となっているスレート屋根については、外壁より3~4年早く劣化がはじまると考えられています。
屋根こそ住まいの耐久性を維持するためには最も重要な部位です。
スレート屋根のヒビ、ズレ、棟金物の緩みやサビは
放置すると雨漏りの原因に
スレート屋根は、主原料にセメントを使い、それに繊維材料を混ぜて、約5mmの厚さに加工したものです。材料自体が高い防水性能を持つわけではなく、塗料によって防水機能を高めています。そのため、塗装による防水が切れると雨水がすぐに流れ落ちずに表面に滞留し、少しずつ内部にしみこんでしまいます。
屋根材に使われた塗料は、強い紫外線を浴び続けることにより劣化が早く進みます。塗装による防水は、当初の塗装ではほぼ7年で切れ始めると考えられます。また、屋根の一番上の棟などに使われている金物は釘で止められています。この釘も経年によって浮き上がり、止め付けが不十分になっていきます。
化粧スレートに雨がしみこむようになると、中の水分が温度差により膨張・収縮を繰り返し、スレート表面にひび割れを生じさせます。また冬季などで気温が低下すると吸い込んだ水分が凍結し膨張することでひび割れや爆裂などがおきます。このようにして隙間が生じてくると雨水が浸入しやすくなり、放置すれば、雨漏りを引き起こす原因になってしまうのです。
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築後7~8年経過していたら、
外装劣化診断のプロによる現地調査を早めに行いましょう
外壁は、汚れやシーリングの硬化、色あせ、ヒビなどが直接目につき、すぐに発見することができます。しかし、自宅の屋根の状態を日常生活の中で細かくチェックすることはできません。築後7、8年以上を経過し、すでに外壁に色あせや細いヒビのようなものが見えているのであれば、屋根はそれ以上に劣化していると考えなければなりません。
住まいの寿命は伸びており、30年以上住み続けるのは当たり前になっています。その間で1~2回の屋根・外壁の塗装は必ず行うことになりますから、早めにプロによる外装劣化診断を受けることをおすすめします。
外壁ドットコムでは、ホームページの見積もりシミュレーションで費用相場を確認いただいた後、劣化診断のプロによる現地調査を行っています。外装劣化診断は外壁塗装工事の見積もりのためというより、お住まいのコンディションを把握するためのものです。
プロの調査を受けておくことが、費用対効果のよいメンテナンスにつながります。