外壁塗装の見積もりはなぜこんなに違う?
屋根や外壁の塗装で気になるのは費用です。相見積もりを取ると、価格が大きく異なっていることも。
その違いの原因はいくつか考えられますが、差額を生む大きな要因としてあげられるのが、会社によって異なる営業スタイルです。
塗装工事を行うのは、大きく分ければ、ハウスメーカーや工務店、リフォーム工事全般を請け負っている業者、塗装工事専門店の3者のいずれかです。
ハウスメーカーや工務店は、注文は受けますが、実際の工事は、専門の塗装店に外注します。
そのため、広告宣伝費や管理業務などの中間経費が発生し、価格は高めになります。
リフォーム工事店も同じように工事は下請け業者に依頼します。やはり中間マージンが発生し、価格は高めです。
時折、「思いきって値引きしましょう」と大幅に価格を下げる業者もありますが、この場合は、最初から値引き分を見込んで見積もりを出しているケースがほとんどです。
そもそも建築工事は一つ一つの工程の積み上げで価格を算出します。しかも塗装工事単体の見積もりでは構成が複雑でないので通常であれば価格を下げるためには工程を省く・使用材料を安価にするなどが必要になります。そのため値引きの背後には、手抜き工事などが潜んでいる場合もあります。
この2者に対して、外壁ドットコムのような塗装専門店が直接受注する場合は中間マージンが発生しません。
塗装経験豊富な職人さんが窓口になるので話も通じやすく、低価格で信頼の置ける工事が行われる可能性が高いといえます。
しかしながら個人で行っているような塗装店ではアフターサービスが心配な面も…
その為価格だけで選ぶのではなく、施工仕様書通りにきちんと施工する会社を選びましょう。
外壁塗装の見積もりはこうしてつくられる
営業スタイルに加えて、外壁塗装の見積もり額を左右するもう一つの要因は、使用する塗料の違いです。
アクリル系塗料が最も安価で、ウレタン、シリコン、フッ素、光触媒と、順に価格が高くなります。
その違いは大きく、1㎡あたり1,000円程度から、4,000円を超えるものまで、価格差は、3倍から4倍にもなります。
その他の見積もり項目には、「仮設足場工事(飛散防止ネット)」「下地洗浄・下地処理」「下塗り」「中塗り・上塗り」「その他諸経費」といった項目があります。
見積書を見るときは、すべての項目が載っているか、「一式」という曖昧な表記がないか、そして、どのメーカーの何という名称の塗料を何回塗るのか。具体的な塗料名と共に明記してあるかどうか、といった点に注意しましょう。
特に塗料名は重要な情報です。これが分かれば、塗料メーカーのホームページなどで、その塗料の特長、面積あたりの塗布量、期待耐用年数などの情報を得ることができ、見積書の記載が妥当であるかどうか、ある程度見当をつけることができるからです。
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外壁塗装の適正な見積もりとは
外壁塗装工事は、仮に技術の程度が低くても工事ができてしまうことから参入業者が多く、価格競争が激しくなっています。
そのため、完成後は見えなくなってしまうのをいいことに下地処理を適当に済ませたり、余った塗料を使い回したり、あるいは決められた希釈率以上に水やシンナーを混ぜて塗料を節約したり、さらには次々と工事をこなすために十分な乾燥時間を取らずに塗り重ねたり、といったさまざまな弊害が現れています。
しかし、これらの一つひとつを発注者である施主がチェックすることはできません。そこで依頼先選びのポイントになるのがモラルです。
塗装業者が、ホームページで外壁塗装についてのハウツー記事やこだわりを語っている場合があります。そこから、モラルの高さを読み取ることも可能です。塗装業者の発信情報からモラルを確認することが、安心できる業者選びにつながります。