外壁材にはモルタル塗り壁・窯業系サイディング・金属サイディング・ALC・タイル外壁などさまざまな種類があります。
その中でもタイル外壁はメンテナンスフリーといわれ、耐久性が高いことから人気の外壁材です。
今回は、タイル外壁の特徴やメリット・デメリット・メンテナンス性について解説します。タイル外壁のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.タイル外壁の特徴
はじめに、タイル外壁の特徴からチェックしてみましょう。
1-1.タイル外壁の魅力は高級感
タイルは粘土または無機質の原料を成形し、高温で焼き固めた板状の建材です。内壁・床・浴室などの保護や装飾に使用され、外壁材(外装材)としても適した特徴があります。
タイル外壁の魅力のひとつは高級感や重厚感です。立体感があり他の外壁材にはない風合いが楽しめることから、デザイン性の高い住宅に仕上げられます。
外壁は住宅の印象を決める大事な場所になるため、タイル外壁は人気の外壁材です。
1-2.耐久性があるのがメリット
外壁材は住宅の美観を保つだけでなく、紫外線や雨風から住宅を守る役割があります。タイル外壁は無機質素材でできているため、サイディング外壁やコンクリート外壁などに比べると耐久性・耐候性に優れているのがメリットです。
強度があるので傷がつきにくく、色あせもしにくいので美観を保ちやすい特徴があります。また、吸水率が低く雨から建物を守ることができ、耐震性についても適正な施工で接着してあれば、地震で剥がれる心配はありません。
1-3.初期費用が高いのがデメリット
見た目が良く耐久性に優れたタイル外壁は、初期費用がかかるのがデメリットとなります。おしゃれな家にしたいと注文住宅でタイル外壁を希望する人もいる一方、初期費用が高くて諦めてしまう人もいるようです。使うタイルの種類や工法、住宅環境によって異なりますが、一般的なサイディング外壁と比較すると2倍ほどの初期費用がかかるといわれています。
1-4.タイル外壁は素材・形状の種類が豊富
タイル外壁には素材や形状の違う種類が豊富に揃っています。代表的な種類を見てみましょう。
【素材】
磁気質:吸水率1%以下。1250℃以上の高温で焼き固めたタイルで強度・耐久性が高い。
せっ器質:吸水率5%以下。1200℃程度で焼き固められたタイルでレンガタイルのような素朴な風合いがある。
【形状】
平物タイル:正方形・長方形の平面状のタイル
ユニットタイル:施工しやすいように平物タイルを連結したタイル
役物タイル:角・開口部などに使用される特殊な形のタイル
2.タイル外壁はメンテナンスフリー?
次に、タイル外壁にメンテナンスは必要なのか確認してみましょう。
2-1.タイル外壁は基本的にメンテナンス不要
タイル外壁は耐久性が高く、汚れなどに強いことから劣化が起きにくい外壁材です。そのため、基本的に塗装メンテナンスは必要ないことから、メンテナンスフリーといわれることがあります。
塗装以外のメンテナンスは必要ですが、定期的に塗装メンテナンスが必要な外壁材よりもメンテナンスコストが抑えられます。
2-2.タイル外壁の手入れは水洗いでOK
タイル外壁の手入れは、高圧洗浄機などを使って表面の汚れを落とす水洗いで対処できます。洗浄を行うことで住宅の美観を保つことができ、万が一劣化が起きている場合も気づきやすくなります。
タイル外壁の手入れは、住宅を長持ちさせるためにも年1回程度の頻度で行うのがおすすめです。外壁全体の洗浄をDIYで行うのは難しいので、専門業者に洗浄を依頼しましょう。
2-3.付帯部や目地のメンテナンスは必要
耐久性が高いタイル外壁を使用していても、付帯部や目地のメンテナンスは10年に1度を目安に行う必要があります。
目地部分はシーリング材(コーキング材)にひび割れなどが起こるケースもあり、劣化が起きやすい場所です。定期的に点検をして、シーリング補修(コーキング補修)を行いましょう。
2-4.メンテナンス費用は安い
サイディング外壁などの外壁材は、10年に1度を目安に外壁全体の塗装メンテナンスが必要になります。
しかし、タイル外壁は洗浄や付帯部・目地の塗装・補修が主なメンテナンスになるので、比較的メンテナンス費用が安く済む外壁材です。そのため、トータルコストで考えるとコスパのいい外壁材といえるでしょう。
2-4-1.サイディングの塗装メンテナンスと比較
外壁材の種類 |
メンテナンス費用目安 |
メンテナンス時期目安 |
サイディング外壁 |
140万程度 |
10年に1回 |
タイル外壁 |
50万程度 |
10年に1回 |
メンテナンス費用は住宅環境や使用する商品、劣化状況などによって異なります。業者によって施工価格も違うので、現場調査・見積もりを依頼して検討してみましょう。
3.タイル外壁に起こる劣化症状
耐久性の高いタイル外壁ですが、経年劣化などから不具合が起こることもあります。どのような劣化症状が起こるのかチェックしておきましょう。
3-1.白華現象(エフロレッセンス)
「白華現象(エフロレッセンス)」は、モルタルやコンクリートから溶け出した物質が外壁材表面に染み出して、乾いて固まることで白く汚れる現象です。吸水性・透水性のあるレンガや無釉タイルで起きやすく、通常2~3年で自然に発生しなくなります。
ただし、タイル外壁の隙間やひび割れから水が入り込んで発生しているケースもあります。その場合は、水の侵入口をふさぐ補修工事が必要です。
3-2.浮き・剥がれ
タイル外壁の浮きや剥がれは、下地のモルタルや接着剤の経年劣化・施工不良などによって起こる場合があります。
タイル外壁に浮きや剥がれがあるときは、エポキシ樹脂を充填して固定したりモルタルを使用してタイルを貼り直したりするなどの補修方法を行います。
3-3.ひび割れ・破損
タイル外壁は、場合によってひび割れや破損が起こる可能性もあります。それらの劣化症状が起きた際には、既存のタイルを剥がして新しいタイルに張り替える補修が必要です。
ひび割れはタイルを貼り替えずに、シーリング材や特殊アクリル樹脂を使用して補修する方法もあります。
3-4.劣化が現れたら早めの点検・補修がおすすめ
タイル外壁は耐久性の高さが人気の外壁材です。しかし、劣化が起きたときは早急に対処しないと、他の劣化症状を引き起こしたり建物構造に影響を与えたりする場合があります。
特に、タイルの浮きや剥がれなどの劣化症状がある際には落下の危険があるので、劣化が確認できたらメンテナンス時期でなくても早めに点検・補修を行いましょう。
3-5.クリア塗料を使った保護塗装も可能
タイル外壁は耐候性が高いため、基本的に塗装メンテナンスの必要がない外壁材です。また、通常の塗料で塗装すると、タイル外壁が持つ風合いを損ねてしまうこともあります。
ただし、無色のクリア塗料で塗装して、撥水やツヤ出しの効果を得ることは可能です。表面保護を目的に塗装したい場合は業者に相談してみましょう。
タイル外壁の点検・メンテナンスは外壁.comへ!
外壁のメンテナンスは、外壁材の種類や住宅環境、劣化状況などによってメンテナンス方法は異なります。同じような劣化症状であっても、適切な工法で補修を行うことが重要になるため、外壁.comでは専門知識のあるプロが外壁調査を行い、適切なリフォームプランをご提案します。
外壁塗装・屋根塗装と合わせて、外壁の洗浄や補修なども経験豊富な職人がしっかりと施工します。タイル外壁の点検・メンテナンスについてご質問やお悩みがありましたら、無料相談窓口へお気軽にお問い合わせください。
高級感あるタイル外壁は適切なメンテナンスで美観を保とう
高級感のあるタイル外壁は、住宅のデザイン性を高めてくれます。しかし、劣化があると美観を損なうばかりか、建物自体の寿命を短くしてしまうことにつながるため注意が必要です。
メンテナンスフリーといわれるタイル外壁ですが、美観や耐久性を維持するためのメンテナンスは必要になります。きちんと定期的に点検をして、適切なメンテナンスを行いましょう。
要点まとめ
Fmoタイル外壁は高級感が魅力
タイル外壁のメリットは【耐久性に優れている】・デメリットは【初期費用が高い】
タイル外壁の付帯部・目地部分は約10年に1度のメンテナンスが必要
タイル外壁には【白華現象】【浮き・剥がれ】【ひび割れ・破損】などの劣化症状が起こる場合がある
定期的な点検を行い、劣化がある場合は早めにメンテナンスをするのがおすすめ