美しい外壁を保つには定期的に塗り替えを行うことだけではなく、使用する塗料にこだわることも大切です。
外壁に使用する塗料にはいろいろな種類があり、「ウレタン塗料」もその中のひとつです。
どの塗料を使用するか悩んでいる方、ウレタン塗料について詳しく知りたい方は、ウレタン塗料の特徴やメリット・デメリットを解説しますので、チェックしておきましょう。
1.ウレタン塗料(ウレタン樹脂塗料)とは?
外壁で使用される塗料には、【アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料】があります。近年人気なのはシリコン樹脂系のシリコン塗料ですが、ウレタン塗料も多く使用されています。
1-1.外壁だけでなくバイク等にも使用される?
ウレタン塗料は外壁以外に家具や車、バイクなどにも使用されているのが特徴です。いろいろなものの塗装に使えるため、DIYをする方々にも人気があります。クリア塗装ができるスプレー系のウレタン塗料もあり、さまざまな商品の傷の保護や高級感のあるツヤ出しの用途で使用されています。
1-2.ウレタン樹脂の種類とその違い
ウレタンは「ポリウレタン」のことを指し、ウレタン塗料は「ポリウレタン樹脂塗料」「ポリウレタン塗料」と呼ばれることもあります。
ウレタン塗料はポリオール樹脂を主剤にして、イソシアネート樹脂(硬化剤)と組み合わせて作る塗料です。ポリオール樹脂にはポリエーテルポリオールやエポキシポリオールなどの種類があります。
近年、ウレタン塗料の主流になっているのは「アクリルウレタン樹脂塗料」です。アクリルポリオール樹脂を主剤として、イソシアネート樹脂(硬化剤)と組み合わせたもので、塗膜性能や仕上がり、耐候性に優れているため人気を集めています。
2.外壁塗装に使用される塗料に関して
外壁塗装に使用される塗料は水性と油性があり、またそれぞれが1液タイプと2液タイプに分かれています。それぞれの違いを確認しておきましょう。
2-1.塗料の「水性」と「油性」その違いは?
水性塗料と油性塗料とでは希釈に使うものが違います。
水性塗料は水を、油性塗料はシンナーなどの有機溶剤を使って薄めます。
水や有機溶剤と混ぜ合わせることで塗りやすくなり、蒸発や揮発をして塗料は壁に密着します。油性塗料は耐久性が高く、密着性にも優れていますが、溶剤臭が強く人体に害を及ぼす危険性が高いため、取り扱いには注意が必要です。
2-2.外壁塗装に使用される1液タイプと2液タイプの違い
1液タイプ(1液性)は主剤と硬化剤が混ぜてあるもの、一方の2液タイプ(2液性)は主剤と硬化剤が別々になっているものを指します。水性塗料のほとんどは1液タイプですが、油性塗料は1液タイプと2液タイプがあります。
2液タイプのメリットは、雨樋や雨戸、破風などの付帯部分にも塗装できることや1液タイプよりも長持ちすることです。しかしデメリットもあり、使用する際に混ぜる手間があるため作業性が劣り、作り置きもできません。
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3.なぜ塗料の2液タイプに硬化剤が必要なのか?
ウレタン塗料は主剤のポリオールと硬化剤イソシアネートが反応することで使えます。そのため、2液タイプの硬化剤は、主剤を「ウレタン塗料」にするためには欠かせないものといえます。主剤だけではとウレタン塗料としての性質はありません。
なお、主剤と硬化剤は規定通りの比率で配合しないと硬化不良になり、耐久性に問題が生じる場合もあるので作業には技術力が必要です。
4.外壁に使用するウレタン塗料のメリットとは
ウレタン塗料にはさまざまなメリットがあります。外壁に使用する前にチェックしてみましょう。
4-1.ウレタン塗料で外壁は見違えるほど光沢を取り戻す
ウレタン塗料は光沢のある塗膜になるのが特徴で、外壁を高級感溢れるツヤ仕上げにします。カラーも鮮やかで、新築のようなピカピカの外壁を取り戻すことが可能です。
4-2.ウレタン塗料が持つ密着性の良さと柔軟性
ウレタン塗料は密着性や柔軟性に優れており、コンクリートやモルタルなどのひび割れしやすい外壁におすすめです。また、下地部分にひび割れが生じても塗膜まで影響せず、水漏れを防ぐ効果が期待できます。
4-3.ウレタン塗料は耐薬品性が高く用途が広い
ウレタン塗料は耐薬品性に優れているため、戸建て住宅以外に、薬品を扱う工場の外壁などにも向いています。
4-4.外壁のメンテナンスにとても優れている
ウレタン塗料はひび割れがしにくく傷に強いことから、下地に影響が少ないためメンテナンスがしやすいです。耐用年数が長いものにはシリコン塗料がありますが、ウレタン塗料よりひび割れが起きやすいため、塗り替えを頻繁に行う場合はウレタン塗料の方が向いています。
5.外壁に使用するウレタン塗料のデメリットとは
外壁に使用するウレタン塗料のデメリットも確認しておきましょう。
5-1.ウレタン塗料の耐久性は10年以下…
【一般的な塗料の耐用年数目安】
シリコン塗料:10〜12年
ウレタン塗料:6〜8年
ウレタン塗料の耐久年数は6〜8年程度です。住宅の塗り替えは10年に1回行うのが目安といわれているため、少ない塗り替えで長期的にきれいな外壁を維持したいなら、耐久年数の長いシリコン塗料の方が安心です。
5-2.シリコン塗料の方が費用対効果が高い
シリコン塗料はウレタン塗料よりも価格が高いため、費用をあまりかけたくない場合はウレタン塗料の方がお得に感じるかもしれません。しかし、塗料代以外の工事費や足場代などを含めると、ウレタン塗料とシリコン塗料では全体的にかかる費用に大きな差がないケースもあります。(※費用は施工する塗装業者によって異なります。)
また、機能性や耐用年数も考慮するとシリコン塗料の方が費用対効果が高いこともあるため、総合的な判断で塗料を選びましょう。
5-3.結合させるイソシアネートに強い毒性が
ウレタン塗料に含まれる硬化剤「イソシアネート」には強い毒性があります。また、シンナーなどの有機溶剤にも毒性があるため、特に油性のウレタン塗料は取り扱いに注意が必要です。
5-4.紫外線による変色が起きやすい
ウレタン塗料は、塗膜が紫外線によって黄色く変色する「黄変」が起こる場合があります。また、汚れやすい性質を持っているため、数年で塗膜が汚く見えるようになるかもしれません。しかし、近年では無黄変タイプのものや低汚染性、耐候性などに優れた高機能ウレタン塗料も多くなっているので、塗り替えの際には検討してみましょう。
また、紫外線が強すぎたり、硬化剤の配合を誤ったりすると黄変しやすくなるケースもあるため、環境に適した塗料選びと正しい塗料の扱いが必要です。
5-5.シリコン塗料の方が光沢保持率が高い
紫外線のダメージによって塗膜の光沢は失われていきます。ウレタン塗料はシリコン塗料より耐候性が低いため、光沢保持率が低く、長持ちしません。光沢のある外壁を長く維持したいならシリコン塗料の方が向いている場合もあります。
6.美しい外壁を希望するなら外壁.comへ!
大切な建物の外観を美しく保つためには、外壁に使用する塗料選びがポイントです。塗料には美しさだけでなく、経年劣化による傷みを修繕したり、環境から守ったりする役割もあります。外壁.comでは、もっとも適した塗料で熟練の塗装専門家が塗装工事を行います。
外壁.comのホームページではインターネットで見積もりができるので、ウレタン塗料や他の塗料の費用を事前に比較することも可能です。それぞれの塗料のおすすめポイントも確認できるので、耐用年数やそれぞれの特徴を比べながら最適な塗料を選べます。
「ウレタン塗料についてもっと知りたい」「どの塗料が適しているか判断するのが難しい」「プロの意見が聞きたい」という方は、外壁塗装について専任アドバイザーがお答えするので、外壁.comにぜひご相談ください。
ウレタン塗料での塗り替えをするなら業者に依頼するのがおすすめ
外壁の塗装は、塗料の特性を理解した上で行う必要があります。塗料には水性・油性、1液タイプ・2液タイプなどさまざまな種類があり、大切な建物を守るには適切な方法で塗り替えを行わなくてはなりません。
塗料の扱いを間違ってしまうと、思わぬ危険にさらされたり、塗料の耐久性が十分に発揮できなかったりする可能性もあるため、ウレタン塗料での塗り替えを行うなら専門業者に依頼しましょう。
まとめ
ウレタン塗料は外壁以外にもいろいろな塗装に使用される
ウレタン塗料は主剤ポリオールと硬化剤イソシアネートを配合したもの
【油性・水性】・【1液タイプ・2液タイプ】がある
ウレタン塗料のメリット・デメリットを把握することが大事
ウレタン塗料で美しい外壁にするなら業者に依頼するのがおすすめ