塗料といっても成分の違いによってさまざまな種類があり、いろいろなタイプが揃っています。自宅の外壁塗装をする際には、最適な塗料を選ぶことがとても重要です。
そこで今回は、外壁塗装に用いられる塗料の種類や特徴、選び方について解説します。自宅の外壁塗装をご検討中の方は、ぴったりの塗料が選べるようにチェックしてみましょう。
1.塗料の成分とタイプ
はじめに、塗料の成分やタイプについて解説します。
1-1.3つの成分でできている
塗料は、主に顔料・樹脂・添加剤の成分で構成されています。それぞれの成分の特徴は以下のとおりです。
【顔料】
塗料の色や光沢の調整、防錆などの機能を与える目的で配合されます。
【樹脂】
樹脂は塗膜となって固まり、塗装面を保護する役割があります。配合する樹脂によって耐候性・耐水性などの機能が違います。
【添加剤】
塗料を塗りやすくしたり乾燥を早めたりするなど、性能を高めるために配合される成分です。配合する成分によって役割が異なり、添加剤を含まない塗料もあります。
1-2.水性塗料・油性塗料
塗料は希釈する溶剤の種類によって水性塗料・油性(溶剤系)塗料に分けられます。それぞれの違いを見てみましょう。
【水性塗料】
水性塗料は水で希釈するもので、塗料の水分が蒸発し塗膜を形成します。臭いが少ないので、塗装工事で臭いが広がらないメリットがあります。
室内の塗装にも適していて、環境や人への害が少ない塗料です。耐候性などは比較的低い傾向がありますが、技術革新により性能が高い水性塗料が増えています。
【油性塗料】
油性塗料はシンナーで希釈するもので、有機溶剤が揮発して塗膜を形成します。臭いが強いため室内での使用には向いておらず、危険性が高いため保管する際に注意が必要です。
水性塗料よりも価格は高い傾向がありますが、一般的には水性塗料よりも耐久性・防汚性が高いといわれています。
1-3.液型タイプ・2液型タイプ
塗料は1液型タイプ・2液型タイプの違いがあります。
【1液型タイプ】
塗料缶を開けてそのまま使えるタイプです。水やシンナーで希釈して塗装します。比較的価格が安く、作業性に優れているのがメリットです。
【2液型タイプ】
塗料缶が主材(塗料)と硬化剤の2つに分かれているタイプです。作業前に主材と硬化剤を混ぜ、さらに水やシンナーで希釈して塗装します。作り置きができず作業に手間はかかりますが、強固な塗膜を作ることができるので耐久性が高いのがメリットです。
1-4.スプレータイプのラッカー塗料
塗料の種類には、水性塗料・油性塗料の他にもラッカー塗料があります。ラッカー塗料はニトロセルロースを主成分とした塗料で、臭いは強いですが早く乾燥してツヤが出るのが特徴です。スプレータイプが主流で、金属部の塗装に適しています。
2.【グレード別】塗料の種類と特徴
外壁に使用する塗料には、大きく分けて4つのグレードがあります。種類別に特徴をチェックしてみましょう。
2-1.アクリル
アクリル系塗料はアクリル樹脂が含まれています。安価な塗料ですが耐候性が低く、汚れやすい特徴があります。耐用年数は5〜8年程度と短いため、定期的に塗替えを楽しみたい場合に向いています。
2-2.ウレタン
ウレタン系塗料は、ウレタン樹脂を含んだ塗料で、耐用年数は8〜10年程度となります。密着性に優れていることから、雨どいなどの付帯部や木部の塗装に向いています。
2-3.シリコン
シリコン系塗料はアクリルシリコン樹脂を含んだ塗料です。アクリル系塗料やウレタン系塗料よりも価格は高いですが、耐用年数は10〜12年程度になり、機能とのバランスが良いことから外壁塗装に用いられる塗料として人気があります。
2-4.フッ素
フッ素系塗料はフッ素樹脂を含んだ塗料で、耐久性・耐候性に優れた塗料です。耐用年数は12〜15年程度と長く、他の塗料と比べて高価ですが長期的に外壁を保護してくれます。
3.【機能別】塗料の種類と特徴
塗料には付加機能を加えた塗料も揃っています。代表的な塗料の種類と特徴を確認してみましょう。
3-1.遮熱塗料
遮熱塗料は太陽光の反射率を上げて、塗装面の温度上昇を抑える効果があります。塗装すると、遮熱効果によって省エネや節電対策に活用できます。熱の影響を受けにくくするため、塗装した屋根材や外壁材の寿命を長くする効果も期待できます。
ただし、冬は住宅の温度を低下させてしまうので、寒さが厳しい地域には向いていない塗料です。
3-2.ラジカル塗料
ラジカル塗料はラジカル制御型の酸化チタンを配合した塗料で、チョーキング現象(塗装面に粉状のものが付着する劣化症状)を抑えられます。
そのことから耐候性を高めることにもつながります。ラジカル塗料は新しいタイプの塗料のため商品や実績が少ないので、使用したい場合は業者と相談してみましょう。
3-3.防水性の高い塗料
防水性が高い塗料は、一般的な塗膜よりも弾力性に優れ、防水機能が高い弾性タイプの塗料のことです。
外壁にひび割れが起きた場合に、伸縮性のある塗膜でカバーするので、水の侵入を防ぐ効果が期待できます。一般住宅の塗装では「単層弾性仕上げ」という仕上げ方法で施されるのが一般的です。
3-4.無機塗料
無機塗料は、セラミックやケイ素など無機物を配合した塗料です。低汚染性・不燃性・耐候性に優れ、耐用年数は15年以上と長期的に外壁を保護します。
メリットの多い塗料ですが、他の塗料よりも材料費や施工費が高く、硬度があるのでひび割れが起きやすい特徴もあります。
3-5.光触媒塗料
光触媒塗料は、二酸化チタンが含まれている塗料です。紫外線を浴びることで埃などの吸着を抑え、汚れを分解して塗膜に汚れがつきにくくなります。
また、カビや藻が生えにくく、空気中の汚染物質を浄化する作用も期待できます。塗装費用がかかり、下地によっては塗装できない場合もあるのでよく業者と相談しましょう。
4.外壁塗装に用いる塗料の選び方
住宅の外壁塗装に用いる塗料を選ぶ際のポイントをチェックしましょう。
4-1.予算・耐久性で選ぶ
塗料は商品によって価格や耐久性が異なります。安い塗料を選んでも、耐久性が低いものは塗り替えサイクルが短くなってしまうため、長期的に見るとメンテナンス費用がかさんでしまうケースもあります。
塗装リフォームにかける予算や塗料の性能を考えながら、適切な塗料を選びましょう。
4-2.家に合った色で選ぶ
塗装リフォームは、外壁の色を変えて見栄えをよくしたいという場合もあります。使用する塗料によってカラーバリエーションが異なるので、色見本を見ながら自分のイメージに合う色を選びましょう。
4-3.用途(塗装場所)・機能性で選ぶ
遮熱や防水、光触媒など、機能性の違う塗料がたくさんあります。塗料を選ぶ際には住宅環境や自宅の悩みに合った性能の塗料を選ぶことが大切です。
また、雨どい・鉄部・木部など塗装場所によって適切な塗料を使用する必要があるので、下地との相性が合った塗料を選びましょう。
4-4.塗料選びは業者に相談するのがおすすめ
塗料を選ぶ際には、下地や下塗り材との相性をチェックして、上塗材となる塗料を選びます。外壁の劣化がある場合は補修をしてから塗装工事をする必要があるため、まずは外壁の状態を業者に点検してもらうのがおすすめです。
塗料の性能をしっかりと理解した業者に相談することで、スムーズに塗料が選びやすくなります。住宅の悩みや費用、メンテナンス性、色選びなど気になることは業者に相談をして、自宅にぴったりの塗料を決めましょう。
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外壁.comでは、塗装の専門家が外壁の状態を調査し、外壁の劣化状況や住宅環境、予算に合わせた塗料や工法をご提案します。外壁塗装メンテナンスは頻繁に行うものではないため、しっかりと納得した上でリフォームするようにしましょう。
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外壁の塗装メンテナンスは塗料選びが重要
塗装リフォームは補修や下塗り、上塗りなどの工程があり、外壁材の劣化状況や住宅環境に合わせて正確に作業することが大切です。
さらに、外壁の塗装メンテナンスは塗料選びが重要なポイントになります。価格の高い塗料を使えばいいわけではなく、性能やメンテナンス頻度などさまざまな点を考慮して、最も適した塗料を使用しましょう。
外壁・屋根のメンテナンスについて
住宅を守る大事な外壁を長持ちさせるためにも、まずは業者に外壁の点検を依頼して、どんな塗料が向いているのか相談してみてください。
要点まとめ
塗料には【水性塗料・油性塗料】、【1液型タイプ・2液型タイプ】の違いがある
塗料のグレードは、アクリル系塗料・ウレタン系塗料・シリコン系塗料・フッ素系塗料がある
塗料には遮熱塗料・ラジカル塗料・防水性の高い塗料・無機塗料・光触媒塗料などがある
塗料は予算・耐久性・色・機能性などを考慮して選ぶことが大事
塗料選びは業者に相談するのがおすすめ