屋根は紫外線や雨風の影響を受けやすく、劣化が進みやすい場所です。そんな屋根を守るために必要な塗装工事には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
この記事では、屋根塗装のメリットや費用相場、耐用年数などのポイントをまとめて解説します。屋根塗装をしたいけれど不安がある方は、ぜひ安心して塗装工事ができるようにチェックしてみてください。
1.屋根塗装のメリット
まずは、屋根塗装をすることでどんなメリットがあるのかチェックしてみましょう。
1-1.屋根の劣化を防ぐ
屋根は紫外線や雨風の影響で劣化しやすい環境にあり、屋根材が劣化すると雨水が侵入して下地に腐食が起こる原因になってしまいます。
塗料で屋根材の表面を保護すると、劣化を防いで耐久性・防水性を保ちやすくするメリットがあります。
1-2.屋根の美観を保つ
屋根は家の印象を決める大事なパーツであり、塗装をすることで住宅の美観を保ち、デザイン性を高められます。
屋根塗装は色あせなどの劣化が起きるため、定期的な塗り替えが必要になります。メンテナンスを行う手間はかかりますが、塗り替えの度に色を変えてイメージチェンジを楽しむことができる点はメリットといえるでしょう。
2.屋根塗装の塗り替え時期は?
屋根塗装は定期的な塗り替えが必要です。適切なタイミングでメンテナンスができるように、塗り替え時期の目安を確認しておきましょう。
2-1.屋根の塗り替えは10年が目安
屋根材にはセメント系(セメント瓦やコンクリート瓦)やスレート系(化粧スレートや天然スレート)、金属系(ガルバリウムや銅板)、粘土系(日本瓦)などの種類があります。屋根材は5年を目安に点検を行い、10年を目安に塗り替えるのがおすすめです。
日本瓦そのものは基本的に塗装の必要がありませんが、漆喰部分が傷むので、漆喰に痩せ、割れ、ハガレなどがあると修理が必要です。他の屋根材と同じように約5年周期で点検を行って状態を把握しておきましょう。
2-2.塗装に劣化がある場合は塗り替えが必要
屋根材はそれぞれ素材自体の耐久性に違いがあり、住宅環境によっては10年よりも前に塗装の劣化が現れるケースもあります。色あせやひび割れ、塗膜剥がれなどの劣化が起きている場合は塗り替えを検討しましょう。
劣化症状をそのまま放置すると、紫外線や雨風による影響を屋根材が受けてしまい、雨漏りのリスクを高める危険性もあります。塗装の劣化症状を確認した場合は、専門の業者に点検を依頼した方が賢明です。
2-3.塗料の種類で耐用年数は異なる
屋根材に使用する塗料は多種にわたり、それぞれ耐用年数が異なります。耐久性や防水性の高い塗料を使用すれば、より長く劣化を防ぐことが期待できます。
塗料は高機能で高品質になるほど価格も高くなる傾向があるため、それぞれの特徴や環境を考慮して、予算や条件に合った塗料を選ぶようにしましょう。
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3.屋根塗装に使用する塗料の耐用年数
屋根塗装に使用する塗料には、アクリル系塗料・ウレタン系塗料・シリコン系塗料・フッ素系塗料といった種類があります。それぞれの耐用年数と特徴を解説します。
3-1.アクリル系塗料
【耐用年数:5〜8年】
アクリル系塗料は価格が安いメリットがあります。しかし、耐用年数が短いため塗り替え頻度が高く、汚れやすいデメリットがあります。
工事費用を安く済ませたい方には向いていますが、長期的にみるとコスパがあまり良くないため、近年ではあまり使われることのない塗料です。
3-2.ウレタン系塗料
【耐用年数:8〜10年】
ウレタン系塗料は光沢のある塗膜を作り、高級感のある仕上がりになるのが特徴です。柔らかく密着性が高いため、作業がしやすくいろいろな屋根材に使用できます。しかし、光沢保持率が低く、シリコン系塗料とそれほど価格が変わらないにも関わらず、耐久性も低いのがデメリットといえるでしょう。
3-3.シリコン系塗料
【耐用年数:10〜12年】
塗装工事で使用される塗料の中で、もっともスタンダードなのがシリコン系塗料です。耐用年数は10〜12年と長いのが特徴で、紫外線に強く汚れにくいことから、屋根塗装にも適しています。コスパの良い塗料を選びたい方や、価格だけでなく性能にもこだわりたい方にはぴったりの塗料です。
3-4.フッ素系塗料
【耐用年数:12〜15年】
耐寒性・耐熱性・防汚性が高く、美観性を保つ効果にも優れている高品質な塗料です。他の塗料と比べると価格は高いですが、塗装工事の頻度を抑えたい方におすすめです。
塗料の種類はグレードだけでなく、水性塗料・油性塗料にも分けられます。使用する商品によっても機能や耐用年数が異なる場合があるので、塗料は業者とよく相談して選びましょう。
3-5.遮断熱塗料
【耐用年数:15年~20年】
耐用年数がもっとも長く、断熱・防臭・防音など機能性、さらにエコの観点から見ても優れている次世代塗料です。塗料に中空ビーズを含んでおり、それが断熱効果を発揮し、他の建物に余計な熱を伝えません。高品質なため価格は高いですが、耐用年数を長く保たせたい方におすすめです。
3-6.失敗しないおすすめの色選びポイント
屋根は占める面積の大きさから、家の印象を決めるといっても過言ではない大切なパーツです。塗料を選ぶ際は、機能性と併せて色にもこだわってみましょう。
カラーバリエーションが多く、どの色にするか迷った場合は、3つのポイントを押さえると選びやすくなります。
【ポイント1】外壁と色調を合わせる
外壁と色調が合っていると、建物全体が調和のとれた印象になります。色選びに迷ったら、外壁と同系色にするのがおすすめです。
【ポイント2】面積効果を考慮する
「面積効果」とは面積の大きさによって色の見え方が異なる錯覚のことです。明るい色は面積が大きくなるほど明るく見え、暗い色は面積が大きくなるほど暗く見えます。
色選びの際は、明るい色の場合はワントーン暗め、暗い色の場合はワントーン明るめにすると理想通りの仕上がりになりやすいでしょう。
【ポイント3】色あせを抑えるなら暗めの色にする
屋根は直射日光が当たりやすい場所のため、鮮やかな色を選ぶと色あせが早く、汚れも目立ちやすくなります。なるべく色あせの目立たない屋根を維持したいなら、暗めの色を選ぶのがおすすめです。
4.【塗料別】屋根塗装の費用相場
屋根塗装にどのくらいの費用がかかるのかを把握するために、ウレタン系塗料・シリコン系塗料・フッ素系塗料で塗料別の見積もり例を見てみましょう。
4-1.スレート瓦屋根の場合
【例1】
地域:東京都
階数:2階建て
築年数:10年
前の塗り替え:なし
坪数:35坪(延床面積・231㎡)
ウレタン系塗料 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 |
635,940円(税込) | 640,979円(税込) | 736,717円(税込) |
※足場費用・下地調整などの費用込み
【例2】
地域:東京都
階数:2階建て
築年数:16年
前の塗り替え:10年前
坪数:30坪(延床面積・198㎡)
ウレタン系塗料 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 |
556,213円(税込) | 560,537円(税込) | 642,683円(税込) |
※足場費用・下地調整などの費用込み
4-2.洋瓦屋根の場合
【例1】
地域:東京都
階数:2階建て
築年数:10年
前の塗り替え:なし
坪数:35坪(延床面積・231㎡)
ウレタン系塗料 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 |
548,460円(税込) | 553,499円(税込) | 649,237円(税込) |
※足場費用・下地調整などの費用込み
【例2】
地域:東京都
階数:2階建て
築年数:16年
前の塗り替え:10年前
坪数:30坪(延床面積・198㎡)
ウレタン系塗料 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 |
481,153円(税込) | 485,477円(税込) | 567,623円(税込) |
※足場費用・下地調整などの費用込み
4-3.費用相場は屋根の状態や塗料で異なる
塗装工事はただ塗料を屋根に塗るだけでなく、さまざまな工程があります。それぞれの作業ごとに単価があり、その合計金額が全体の工事費用になります。
【屋根塗装の基本的な費用項目】
●足場
●飛散防止シート
●養生
●高圧洗浄
●下地調整
●屋根塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
●縁切り(タスペーサー)
屋根の状態や使用する塗料、住宅環境などで塗装工事費用は変わってきます。業者によって価格設定も異なるので、自宅の塗り替えにどのくらいの費用がかかるのかを知りたいときは、実際に点検をしてもらった上で見積もりを出してもらうことをおすすめします。
5.屋根塗装のDIYは難しい
面積が大きい屋根塗装には大量の塗料が必要になり、また、高所作業で危険性が高いことからDIYで行うのは難しい場所です。塗装に必要なローラーや刷毛も屋根の種類に合わせて用意しなければいけません。
さらに、足場を組んで下地処理をする必要があり、手順を間違うと仕上がりが悪い上に後日、不具合が出る可能性もあります。結局業者に依頼して塗り直してもらうような事態を避けるためにも、屋根塗装は信頼できるリフォーム業者にはじめから依頼しましょう。
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屋根塗装は費用がかかる工事のため、工事内容に納得して行うことが大切です。塗り替えを検討中の方は、まずはプロであるリフォーム業者に屋根の状態を点検してもらった上で、必要な工事を判断してもらいましょう。
塗装工事は塗料のグレードや色選びも重要ポイントになります。塗装工事に関する不安や疑問がある場合は、まずは無料相談を活用してみましょう。
まとめ
屋根塗装は劣化を防ぎ、美観を保つ役割がある
屋根の塗り替えは10年が目安
屋根の状態や塗料の種類によって費用が異なる
費用相場を知るには、まずはWebのシミュレーションで見積もりを出してみるのがおすすめ